細胞は90日で入れ替わる。
先日スポーツジムに行った時に渡されたトレーニング案内の中に「体は90日くらいで、入れ替わる」という文がありました。つまり、トレーニングを始めると「90日くらい」で、身体(細胞?)が生まれ変わり体質が改善されていくと、いうことらしいのですね。
担当のトレーナーから「週1~2回でも結構ですから、3ヶ月くらい続けて下さい。1度に集中的にトレーニングするよりも少しずつでも長く続けた方が、ずっと効果的です」とアドバイスを受けたのですが、本当にその通りだと思いました。
いくら「腹筋を割りたい!」と思っても、何年も不摂生をしていた人が2~3回のトレーニングで効果が出るわけがありません。その理屈だと、一年間ずっと怠惰な生活をしていた人でも夏直前の2週間だけ鍛えれば「理想の体型」が手に入ることになってしまいます。継続しなければ手に入らないものだからこそ魅力を感じるし、そして継続することの重要さは理解しているというのに、なかなか実行できないということに、私たちのような凡人は悩まされるわけです。
本物とニセモノは『時間が決める』
これは、以前何かの本で読んだ言葉です。本当の『本物』は、時間が経つうちに「止めてくれ!」といっても、自然と評価され世の中に出てくるものなのだ、と。逆に『ニセモノ』は、一時は良くても、時間が経つと消えてしまっている。時間という試練を乗り越えたものだけに「本物」という評価が与えられる。そして世間の評価というものは、消えていくものに対する評価は非常に厳しいから、じっくりと準備をした上で勝負をかけていきなさい。そのような内容だったと記憶しています。
以前、40年以上のキャリアがある職人さんが、工芸品の制作をしている様子を見学したことがあります。無駄のないひとつひとつの作業の洗練さ、時折解説してくれる言葉の背後にある膨大な知識と経験、そのような技術と経験の素晴らしさはもちろんですが「40年」という時間を越えてきたという事実が、さらなる迫力と魅力になっていると感じました。
時間をかけて育てたものに、私たちは敬意を払う
時間は、お金で買うことができません。すべての人に平等に与えられ、均等に流れていきます。1日単位ではさほど感じませんが10年、20年の長さになると、その差は大きくなっていきます。だからこそ、私たちは時間を費やして磨いてきた「もの・こと」に凄みと敬意を感じるのだと思います。
時間の試練を越えていくには、今この瞬間から積み重ねていかなければいけない。積み重ねていけるものを、選ばなければいけない。40年は難しいかもしれないけれど、半分の20年ならば・・・そんなことを考えました。
伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝