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ルール67

成長を止める言葉。

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「面倒だ」と思った瞬間に、老化がはじまる。 

 
「面倒だ」と思った瞬間に、老化がはじまる。という文章を、何かの本で読んだことがあります。本ではなく映画だったかもしれません。マンガだったかもしれません。詳しくは覚えていないのですが、それはともかく、年齢を重ねるほど「面倒だ」と感じる時間が増えていくのだそうです。そして視野が狭まり、どんどん精神の老化が・・・。いやいや、考えただけでも寂しくなりますね。
 
新しい発想、とか、新鮮な視点、といいますけれど、それらはすべて「地道な作業を面倒がらずに、膨大な時間を積み重ね続けた人のところに、やってくる」と私は考えています。本当に力強く、大きな表現を作り上げたいのなら、細かな部分を、ていねいに組み上げていかなければいけません。どんなに素晴らしい文章も、小さな言葉のつながりでできています。そしてそれを編み上げていこうとする作業は、面倒という言葉の対極に位置するもの。このくらいでいいかな、と妥協してしまう気持ちを乗り越えて、何度も繰り返し「面倒」な修正を繰り返していかなければいけません。とりあえず、適当に、なんとなく、で仕上がることはないのです。
 
 

立ち止まる理由を探し、正当化してしまう。

 
ところが、一度「面倒だ」と言葉にしてしまった瞬間、その作業を中断し止めてしまう理由を、ものすごいスピードで探し始めてしまいます。立ち止まる理由を正当化する言葉を並べ始めます。面倒という言葉には、すべての成長を止めてしまう強烈な力があるのです。
 
これから「面倒だ」という言葉が頭に浮かんだ時は「面倒だと思った瞬間から、後退への一歩が始まる」という一文を思い出してください。そして「面倒だと感じた時が、本当のスタートだ」とストレッチをしてから、前のめりに作業を再開してください。本物の「ひらめき」は、面倒で退屈で膨大な作業量を、人知れず、ひたむきに積み重ねている人を見つけてコンコンと扉をノックしていきます。本当ですよ。 
 


伝わる文章講座  佐藤 隆弘 拝


 
 
リニューアルの追記
これは個人の成長だけではなく、会社の成長にも同じ事がいえると感じています。新しい企画をスタートさせ最初の2年くらいは緊張感もあり、順調に成長していきます。ところが3年目あたりで作業がルーティン化され、飽きが始まり、面倒という気持ちが加速し、4年目で衰退が始まることが多いように感じています。逆にいえば、上昇していく企業は3年かけて土台を固め、4年目をひとつの区切りとして結果を出し、次へのステップへとスムーズに移行していくということです。ひとつの目安として参考にしてみてください。

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