ルール 5 共感を呼ぶには、一定の共通の情報量が必要。
伝えたいから、文章は長くなっていく。
お客さんを呼び込む「キャッチコピー」が完成した。次は、いよいよ本文(商品説明)に入ります。キャッチコピーで、お客さんの目を止め指先を止め、興味を持って下さった方に、本文でじっくりと説明していく訳です。いわば、ここが「売れるホームページ」の舞台会場。しっかりと考えていきましょう!
情報を伝えなければ、存在しないことと同じ。
「佐藤さんの広告は、文字数が多いですよね・・・」これは、私(佐藤)が新聞折り込み広告を作成した時、広告代理店の営業担当の方に言われた言葉です。どうやら、文字数が多くて編集&入力が大変らしい。
「こんなに長い文章は、誰も読みませんよ」
「もう少し、文章を減らしてみてはどうですか?」
言われる度に「そうなのかな……」と、悩んだものです。しかし、書きたい事、伝えたい事が多くなると、どうしても「文字数」は増えるものです。お客さんに分かってもらいたい、商品の良さを伝えたい、そしてなによりも安心して注文してもらいたい。ましてや自分の会社は「無名」でしたから知っていただきたい事が、たくさんあります。
知られなければ、存在しないことも同じ。書かなければ、お客さんの前で黙って立っていることと同じ。それでは素通りされてしまいます。言葉にして声をかけ、立ち止まって下さった方には精一杯の対応をするように、広告の中でも泥臭く、そして丁寧に説明する必要がありますから、どうしても文章は長くなってしまいます。
広告は結果がすべて。自己責任で書く。
私は、悩みつつも考えていました。確かに、ライバル会社のチラシと比較しても自分のところの広告は、文章量が多いのも事実。思い切って今回は文章を減らし「画像で綺麗にイメージアップ!」してみようか。いや、やはり、自分の考えを貫こうか・・・、などと、夜も寝ないで昼にうたた寝しながら様々な事を考えていました。
そんなある日、知り合いの社長から電話がありました。私は、話が一段落したところで「僕の広告は、商品説明の文章が長くなるんですよね。でも、書きたい事はたくさんありますし・・・」と、なにげなく話したのです。すると、その方はあっさりと、
「文章が多くなるのは仕方がないですよ」
「どうしたって、長くなるものですよ」と即答してくれたのです。
「そうですよね!」と、私は答えていました。やはり成功している「経営者」は理解してくれる。数十万円の広告費を投資して失敗したって、広告代理店は責任を取ってはくれない。すべて自己責任が、ビジネスの基本。それならば、自分が納得できるものを精一杯作りたい。よし、このまま行こう!そして、この時の決断が、今の私の土台を築いてくれたのです。いや本当に、貫いてよかった・・・。
色々なホームページ&広告を見ていて、思う事。
色々な広告やホームページを見ていると「この部分を、もう少し詳しく知りたいな・・・」というような商品説明の文章&コンテンツを、時折目にします。情報への踏み込みが浅く、表面的な段階で終わっているために「一番知りたい情報」が得られないで終わってしまっているのです。
普段のみなさんがそうであるように、本気で購入を検討している時は細かな情報まで確認するものです。ましてそれが最初の注文であれば、商品の情報はもちろんのこと、それを扱っている会社の情報やスタッフの様子まで気になってくるでしょう。開店したばかりの店舗ならばなおさらです。あなたが自分の「商品・サービス」を「良いもの」と信じているなら、誇りがあるのならば伝えたい事は、たくさんあるはずです(ありますよね?)自然と説明文 = 提供する情報量は多くなります。
不必要な情報を、ギリギリまで削り、推敲しながらも、
お客さんに、喜んでもらえる「情報量」をできるかぎり提供する事が大切です。
文章は短ければ短いほどいい。わずか数行で、すべてが伝えることができたのなら、それが一番。でも、実際にはそううまくはいきません。理解してもらうには「一定の情報量を共有すること」が必要です。具体的な言葉を交わし、積み重ね、時間をかけて育てていかなければいけません。
雑誌や新聞広告、チラシなどの紙媒体の場合は、一度印刷してしまうと修正することはできませんが、ホームページの場合はアクセス状況のデータを分析して随時修正とブラッシュアップが可能です。データは正直です。「お客さんがすぐに移動してしまう」ということは「知りたい情報が書かれていない」ということです。この部分を冷静に受け止め、データを記録しながら校正を繰り返していく。まずは情報量を今の3倍に増やしてみる。そして無駄を削ぎ、鍛えられたアスリートの身体のように磨き上げていく。そこから始めてみてください。表面的なテクニックで装飾していくのは、それからでも遅くはありません。
伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝
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リニューアルの追伸
初心者の方から「何を書けばよいかわからない」「書く事がない」というような相談を受けることがあります。そのような方でもカウンセリングを行いながら一緒に情報収集を始めていくと、数ヶ月後には「何を削ればいいか迷っています」と相談の内容が変わってくるものです。書きたいこと、伝えなければいけないこと、は、ぼんやりと空を眺めていては見つかりませんが、コツコツとデータと向き合い積み上げていくと「豊かな水脈」が見つかるものです。絶対に探すぞ、と決めた人にしか見えない水脈は必ず存在します。まずは覚悟(?)を決めて足下から探ってみてください。