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売れる文章講座

ルール 25

悔しさを「原動力」に変えていく。

 
前回のルール24で紹介した『スターバックス 成功物語 ハワード・シュルツ ドリー・ジョーンズ・ヤング著日経BP社』を読んで興味を持った私は、その後もスタバに関する本を何冊か読んでみました。
 
すると『スターバックス マニアックス 小石原はるか 小学館文庫』の中で、会長 ハワード・シュルツ氏のインタビューを発見。気になった部分を一部抜粋しますと、
 

実は、日本進出は成功しないと言われていたんです。日本は北米以外初の海外進出先です。ところが当時、私たちの仲間には海外進出の経験者がいなかった。そこでビジネスコンサルタントを雇ったんです。今考えれば、まったく役に立たないことでしたがね(笑)彼らは「日本のことは忘れなさい、大変なことになります。お金を無駄にするだけですよ」という悲観的なレポートを送ってきただけ。(中略)でも結局3つとも間違いであることを、私たちは証明してしまったんですよね(笑)『スターバックス マニアックス 小石原はるか 小学館文庫』より。
 

 
『3つとも間違いであることを、私たちは証明してしまった』とのこと。クールですね。自分も一度、言ってみたい台詞です。『それが間違いだと、僕が証明してあげますよ』と、早口でまくしたてるコンサルタントの前でニヤリと、笑ってみたいものです(笑)
 
まあそれはともかく、他にも何冊か経営コンサルタントがスターバックスについて書いた本を読みましたが、それらの多くが「スターバックスの価格戦略、ターゲットの絞り込みが良かった」と、書いているんです。でも、それは成功した「結果」をみて分析しているから、そう言えるだけで、最初は彼らも「スターバックスは成功しないよ。コンセプトが日本にあっていないからね」と、思っていたかもしれませんよね?
 
 

■「3年後を見ていろよ!」

 
「結局は、知名度なんですよね・・・」私も独立当初、広告代理店から、このような事を言われて悔しい思いをしたものです。大切な資金を投入して作ってもらった広告が失敗。担当者が、その説明(言い訳?)として口にしたのが、この言葉でした。
 
がっくりきますよね。経営は自己責任ということはわかってはいますが、それでも、もう少し何か他の言い方はないものか・・・と。広告のプロとして、それを口にしてしまったら終わりではないのか? そもそも「これで行きましょう!」と自信満々で提案してきたのは、あなた達の方ではないか? でも「最初は、誰だって無名なんだ。一人でも、自分の所を気に入ってくれる人がいたら、全力でやる。すべては、ここからだ。3年後を見ていろよ」そんな風にして、頑張ってきました。広告作成を人任せにするのではなく、企画から原稿制作、デザインまで、ゼロから勉強して、毎晩遅くまで試行錯誤を繰り返してきました。判断を人任せにせず、自己責任で方向を決定してきました。
 
数年後、その広告代理店はなくなってしまいました。私は細々でも、今こうやって確実に生きています。チクショ~と思いながらも『自分と自分の商品を信じて』一件一件、チラシを配って回った経験も、真夏に熱射病になってブッ倒れた思い出も、今となっては良い経験です。その時に学んだことが、今あなたにご覧いただいているこの『文章講座』となり、たくさんの人に活用して喜んでもらえている訳ですからね。
 
 

■自己責任という言葉が(本当に)理解できれば、何も怖くはない。

 
もしも今あなたが、誰かに当時の私と同じようなことを言われて落ちこんでいたとするならば、ぜひ今回の話を思い出してみてください。経営も人生も「自己責任」なのだ。泣くのも笑うのも進むのも退くのも、すべて自己責任なのだ。と、
 
頭を下げながらも、堂々と進んでください。学び続け、可能な限り情報を集め、その中から微かに輝く可能性を目を凝らしてつかまえてください。本当の意味で「自己責任」という言葉の意味を体得することができれば、本当の意味で「自分の目標」が見つかったのならば、周りの言葉に揺らぐことなく、恐れることなく歩き続けることができるはずです。すべてを学びにして、成長できるはずです。
 
絶え間ない商品開発と、その魅力を伝えるための表現力の研鑽。今は笑われたり、ばかにされたとしても、1年後にはきっと! そんな風に、地道な勉強と実践を積み重ねていけば、どんなに回り道をしたとしても、進むべき道は見えてくると思うからです。
 


伝わる文章講座  佐藤 隆弘 拝

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