伝わる&売れる文章のルール その13 キャッチコピーの文字色
ルール 13
キャッチコピーの文字は、何色で書けばいいですか?
私の所に定期的に届く質問のひとつに、
「文字は何色で? サイズは?」
「句読点を打つ位置は? 改行のタイミングは?」
「文字数は、何文字以内で?」
と、いうようなものがあります。確かに、このような表現の仕方が気になるのも、良くわかります。しかし、しかしですよ・・・そのような、表面的な部分ばかりを気にして、売り上げが上がるかと言えば・・・・上がらないですよ!もっと、根っこの部分を磨くのです。大切なことは、
『何色で書くか?』では、なくて、
『何を書くか? = 内容! 内容! 内容!』
です。お客さんは、美しい文章を読みたいのではないのです。現実の世界から届けられた「あなたの経験・体験」をベースにした『臨場感のある、生き生きとした情報』が読みたいのです。
「教育業界に、赤文字はタブーなんだよ」
以前、新聞折り込み用の広告を、作った時の事です。その印刷会社の店長は、私が作成した広告を見て、こういいました。
店:「教育関係の広告でさ、赤を主体にはしないな。赤は駄目だよ」
私:「そうですか? じゃあ何色がいいですかね?」
店:「そりゃあ、青系だね。ほとんどのところがそうだろう?」
私:「う~ん、でも今回は、赤主体でいきますよ」
店:「…(せっかく親切で言っているのに、という顔をしてる)」
【数日後・・・】
店:「この前のどうだった?」
私:「ここ何回かの中で、一番良かったですよ!」
店:「うん、赤は目立つからな。効果的だよね」
私:「・・・」
あるある!同じような経験を、された方も多いのでは?(笑)思わず苦笑い、という感じですね。
「そうか、じゃあ『赤』を使えばいいんだ!」と、思わないこと。
私は「その時の文の内容には、赤が合っている」と考えたので、そうしただけ。青も使いますし、緑も使います。ピンクも黄色も、使います(笑)「何を、どのように伝えたいのか?」で「何色を使うか」を決めたのです。ただなんとなく、の雰囲気で決めた訳ではありません。内容によって、表現の仕方を考えていくのです。
「どこに点を打ったらいいとか、文章の決まりごとがわからないと書けないと思っていました。でも、そうではないということが、講座を受講してわかりました。大切なのは◯◯◯◯に向けて書くという気持ちですね(Mさん)」
これは、私の『文章講座』受講生から届いた、感想です。そうなんですよね。本来「決まりごと」なんて、ないですよね。もっと自由に表現できるというのに、私達は、いつの間にか「決まりごと」を、作ってしまっているんです。
そして、いつもと同じような発想で、いつもと同じようなデザインで作り、いつもと同じような文章とキャッチコピーを作り、いつもと同じような結果で終わった、と悩んでいるのです。悲しいけれど、これが現実。ほとんどの人が、そこから抜けだせずに、苦しんでいるのです。
自分の発想の中に「思い込み」で片付けてしまっているところはないか?「赤を使えばいいらしい」と表面的な部分だけで思考を止めていることはないか? と自分に問いかけてください。「赤を使えばいい」ではなく「なぜ赤色を使うのか?」と、その背後にある「思考の流れ・仕掛け」を、実際に検証し、考えながら文章を書き進めてください。繰り返しになりますが、内容が形に表れていくのです。
伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝
リニューアルの追記
このあたりまで読み進めてきた方には余計なことかもしれませんが、一応確認しておきますけれど「色を軽視してもよい」ということではありません。神は細部にこそ宿る。細かな部分をていねいに作り上げる事が、大きなものを作っていくということは変わりませんので誤解のないよう。