ルール47
何かを表現するには強固な土台が必要だ。
『シャーロック・ホームズ』の言葉から考えたこと。
この世で最も実際的なことをやりたければ、
三ヶ月ほど家にとじこもって、一日に十二時間、犯罪記録を読むことだ。
そうすれば、あらゆることがわかってくる。
恐怖の谷 アーサー・コナン・ドイル(早川書房)より
たとえば、これが私たちならば、
犯罪記録の部分を、今自分が興味のある分野に差し替えればいい訳です。
・一日に十二時間、広告に関する本を読むことだ。
・一日に十二時間、文章に関する本を読むことだ。
・一日に十二時間、恋人の作り方に関する本を読むことだ。
分野は何でもいいわけです。
大切なことは「12時間×90日=1080時間」の時間を積み重ねる
やりとげることだと、思うのです。
才能だけでは、仕事にならない。
何かを「表現する仕事」というと「才能で勝負する」という印象が、
あるかと思います。依頼の内容を見た瞬間にアイデアがひらめいて、
そこから即座に制作が開始されるような、
そんなイメージが、あるかもしれません。
しかし実際のところは、ひらめきやインスピレーションだけで、
制作できるということはありません。
下地となる絶対的な『基本的知識』と『演習の時間』が必要です。
少なくとも、私の周りのクリエイター達は、みなそのような時間を積み重ね、
今に至っている人達ばかりです。
まずは1080時間。
自分が「本気で身につけたいこと」に集中してみる。
きっとその先には「あらゆること」が見えてくる時間が待っている。
ホームズの台詞を念頭に置いて、私も日々積み重ねていきたいと思います
伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝