ルール31 「誰がその文章を書いたのか」が重要になる時代
「プライドが高そうな文章」の履歴書
以前、アルバイト希望者の面談をしていた時の事です。私は、希望者から事前に送ってもらった履歴書を見ていました。多くの方が、狭いスペースにぎっしりと、自分のアピールポイントなどを書いてきます。それは、見ていても非常に頼もしいものなのですが、その中でも、ちょっと「ぶっきらぼう」なものがあったのですね。
言葉がキツイといいますか。そうですね...「プライドが高そう」な感じの文章だったのです。まあ、とりあえず働いてやるよ、のような印象を受ける文章だったのです。私は「この人は厳しいかな」と、思いつつ面談に向かいました。すると・・・。
そうなんですね。とても、感じの良い人だったんです。人当たりも良く丁寧に話す感じの人で、もちろん「採用」しました。そして、あらためて思いました。『この人は、文章の書き方で損をしているな』
あなたも、文章で損をしていませんか?
ホームページを見ていると、本人は優しくて面倒見が良い人なのに、どことなく愛想がないといいますか、冷たい感じの文章を書いてしまう人が、少なくありません。特に真面目な人は、そうかもしれません。お客さんに対して不快な気持ちを、もたれないように、と気を配り過ぎるあまりに、どうしても堅く本来の良さが出せないで、せっかくの魅力を出せないで終わってしまっているのです。
実際の店鋪ならば、直接話もできますし、雰囲気も目で見る事ができます。しかし、ホームページの場合は「文章のみ」での勝負になりますから、ちょっとの言葉の選び方で全く違った印象を、もたれてしまい損をしてしまうことも少なくないのですね。『人間は、自分自身の事が、一番わからない』などと言いますが、これは自分が書いた文章についても、おなじことが言えると思うのです。
自分が書いている文章を読んだ人は、どのような人物を想像しているか?信頼できる人に文章を読んでもらい、確認しておくことも大切です。
この文章を書いたのは誰?
これからは「その文章を書いたのは誰なのか?」と、いう部分が大切になってくると、私は考えています。誰が書いたのかわからない文章よりも、誰が書いたのかが明確になっている。そして、その人柄が伝わってくる文章。そこで評価が左右される時代がくるかもしれない、と考えています。
実際の「あなた」 = 文章から伝わってくる「あなた」
この2つがイコールで結ばれているか?
自分らしい文章とは、書いた人の人柄が伝わってくる。実際に会った時に「イメージ通りの人でした」と、言っていただける。そのような文章のことなのかも、しれません。
伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝
リニューアルの追伸
「誰が、この文章を書いたのか」ということの意味(重要性)は、ここに書いた内容よりもさらに一段階深いものが要求されるようになってきた、と私は感じています。今この追伸を書いているのは2015年なのですが、2014年の後半位からその気配が強くなり、2015年から表面化。そしてここから急速に広まっていくのではないかと感じています。この部分は、また別の機械に触れてみたいと考えていますが、まずは「その文章を書いたのは誰? =文章そのものの評価だけではなく、作者の評価が重要になってくる」の部分の重要性が強まっていくということは、意識しておいて損はないと思います。