伝わる文章のルール29 失敗を認めそこから学ぶ。
「コマネチ 若きアスリートへの手紙」より
ビジネスは「体が資本」と、いうことで最近トレーニングを始めました。別に、アスリートを目指すとか理想の体を作る、ということではなく、体調管理が目的なのですが凝り性の自分としては、自分に合ったより良いトレーニング方法を、探してみたくなり図書館で調べてみることにしました。そこで、偶然に『コマネチ 若きアスリートへの手紙 ナディア コマネチ 著(青土社)』を見つけたので、トレーニング方法の研究は後回しにして読んでみることにしました。
『自分の失敗を認め、それから学ぼう(ナディア・コマネチ)』
「自分の失敗を認め」トップアスリートである、コマネチ氏に語られると思わず、なるほど、と何度も、うなづいてしまう迫力を感じます。確かに、私も今までに、たくさんの生徒の相談にのってきましたが、この『自分の失敗を認められるか、どうか』で、その後の能力の伸び具合が決まる、といっても決して言い過ぎではないと感じています。
実際のところ、私自身も含め多くの人が「失敗の原因は自分にある」ということを、なかなか認められません。様々なものに責任や理由を押し付けてしまい「だから、私は悪くないんだ」と、言い訳をしてしまうのですね。そして、結局失敗から何も学べずに「このままでも、がんばっていればいつか上手くいくだろう。タイミングさえ合えば、きっと」などと、考えてしまい、その場をやり過ごすことだけを考えてしまうものです。
これは『文章を書く時』でも同じです。自分の頭の中身をかき回して、一生懸命に考えた「文章やコピー」には、誰しも愛着があるものです。例え、どんなに反応が悪くても、なかなか「失敗」を受け止める事ができずに、少しだけ言葉を変更してみたり、「今すぐクリック!」と、いう言葉を足してみたり、そのような些細な部分だけをいじって根本から考え直そうとしないのです。
制作した文章への反応が悪い場合は、根本から「文章の組み立て」を直さなければいけません。まずは頭の中のホワイトボードを綺麗に消して、全くのゼロから書き直した方が、わかりやすくシンプルな表現につながるものです。最後に、もうひとつ。
『あらかじめ、苦労するものと想像しておく。成功するのは楽ではない。(ナディア・コマネチ)』
成功するのは、楽ではない。
この言葉を耳にしても、なお立ち上がっていく力強さと勇気を持ちたいものです。
伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝