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伝わる&売れる文章のルール伝わる&売れる文章のルール

ルール その17 

あなたの「マイナス」は、お客の「プラス」かもしれない

売れる文章講座

ルール 17

自分の価値観だけで判断していないか?

 
先日「温泉に行きたいね」という話になり、電話で予約をとることにしました。しかし、宿はすでに「予約で一杯」。とりあえず、いくつか電話をしてみて、まだ大丈夫な宿があれば、行こうと考えていた時の会話です。
 
私達:「予約をお願いしたいのですが」
旅館:「はい。料金が◯◯円の、お部屋なら大丈夫です。ただ、この部屋は景色が良くないのです」
私達:「そんなに悪いのですか?」
旅館:「はい。窓が山側になるので、あまり良くありません。暗いです」
私達:「う~ん・・・(ゴソゴソ、と相談)いいです。お願いします」
旅館:「それから、お部屋が障子で区切る形になります。それでも大丈夫ですか?」
私達:「障子で区切る? 壁がないということですか?」
旅館:「いえ、壁はありますが、入り口は障子で区切るようになります」
私達:「(なんだかよくわからないな??)はあ、それでいいです」
 
私達:「なんだか、暗い感じの人だったよ。大丈夫かな?「でも、他に宿もないしね・・・」「まあ、いいか。駄目なら駄目で」
 
私達は、付近の観光を済ませて旅館に向かいました。
番頭:「こちらのお部屋になります」
私達:「あ、角部屋ですね。あ、風が気持ちいいですね」
番頭:「ええ。山の方から涼しい風が入ってくるんです」
私達:「本当に入り口が障子ですね。でも、味があっていいですね」
番頭さん:「ありがとうございます」
私達:「水の音が聞こえてきて、気分がいいな」「山の湧き水の音かな? 落ち着くね」
 
(風呂場にて)
「お湯もいいな。すごくリラックスする」「さっき、入って来た地元の人に聞いたんだけど、ここは『源泉』に一番近い宿なんだって。近くのホテルは『沸かし湯』らしいよ」「そうなの?」「そうそう。『こっちを選んで良かったわね』って、言われたよ」
 
【結論】
「すごく良かった!」
 
 

あなたが考える「マイナス」は、お客さんの「プラス」かもしれない。

 
旅館の方が「マイナス」だと感じていることでも、お客である私達には「プラス」であることもたくさんあります。過大評価してはいけませんが「自信」を捨てるのは、もっと良くありません。あなたが「ここが、ちょっと時代遅れかな」と感じているポイントが「落ちつけるし、心地よい」と感じる人が、いるかもしれません。優先順位が「部屋の設備」ではなく「源泉に一番近い宿であること」の人もいるでしょう。
 
逆に、みなさんが「アピール」しようとしているポイントは「ライバル会社と同じポイント」かもしれません。同じアピールポイントの中で、優劣をつけようと考えても大きく差をつけることは難しいものです。それならばお客さんは、知名度が高いところを選ぶでしょう。少しでも料金が安いところを探すでしょう。
 
大切なことは「自分たちの価値観だけ」「ライバル会社と比較した内容だけ」で、アピールするポイントを決めてしまわないことです。まずはお客さんからアンケートを集めて、どこか気に入ったのかを聞いてみてください。きっと、みなさん自身が「考えもしなかった」部分を、褒めてくださったり喜んで下さっているはずです。そこをどのように見せるか、伝えるか、が力の見せ所なんです。
 


伝わる文章講座  佐藤 隆弘 拝

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