ルール69 キャッチコピーは「ひらめき」から?
キャッチコピーは「〇〇」から生まれる。
さてみなさん。
この「〇〇」の中にはどのような言葉が入ると思いますか?
思いつくものを、4〜5個ほどあげてみてください。
どうぞ。
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1個目
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2個目
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3個目(まだまだ楽勝?)
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4個目(さあ、あとひとつ)
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5個目(おつかれさま)
発想・ひらめき・アイデア・才能・集中・孤独・出会い・瞬間・情熱・努力・根性・・・・
いろいろあると思います。が、今回私(佐藤)が強調したいことは、
キャッチコピーは「取材」から生まれる。
と、いうことです。どうですか?
もしピタリと同じ言葉をいれた方は、ぜひ教えてください。
キャッチコピーは「取材」から生まれる。
キャッチコピーは、ひらめきといいますか、アイデア勝負といいますか、パッ、と思いつくもの、というような印象があるかもしれません。
もちろん最終的には、そうかもしれませんが、そこに辿り着くまでには、頑強な土台作りが必要です。良い土台を作るには、まずは膨大な情報を集め、整理していく過程が必要です。良質な材料が多ければ多いほど、組み合わせの種類も増えます。種類が増えるということは、発想の源が豊かになるということです。これだけ集めたのだから、という心の余裕にもつながります。
今、みなさんの頭の中にある「ことば」は「普段の自分の価値観」で、形成されたものです。一見すると「異なる言葉」に思えたとしても、同じ価値観でまとめられた同じような言葉が集まっているのです。料理の技術と環境が同じならば、新鮮な素材を用意した方が、美味しい料理を作ることができるように、材料の仕入れ(取材)に出向く事が、とても大切なのです。
段取り八分に仕事二分
段取り八分に仕事二分、という言葉がありますが、コピーを考える時も実際にペンを手に取るまでの段取り(準備)の段階で、完成度が決まっていくということです。
例えば実際に、先日あるプロダクトをデザイナーと作成した時も、打ち合わせ(情報の週種&整理)の時間が、全体の7割〜8割でした。延々と何時間も、互いが持ってきた情報を照らし合わせながら、何をどのように伝えていくかを、考えていくわけです。
実際にペンを手にとって、コピーを書いている時間は全体から見れば、数%に過ぎませんから、私がコピーを書いている場面だけを目にした人は、やはりひらめきですね、と思うかもしれません。でも、そこに至るまでに準備をした過程があるからこそ、よしこれでいこう、という確信を持った言葉が見えてくるのです。そして、この言葉を使ってどのように見せていこうか、と、デザインの方向へと思考が進んでいくわけです。
考えた量の深さと多さは、相手にも伝わる。
不思議なもので、しっかりと考えられた言葉は、長い時間を経ても、色褪せることがありません。それは、私たちがその文章を書き上げるまでに注ぎ込んだ、書き手の「思考と情報の量と深さ」を、どこかで、感じとっているからなのかもしれません。
繰り返しになりますが、キャッチコピーは取材の中から生まれます。そこが始まりであり、そこで完成度が決まっていきます。ペンを持つ前に戦いは始まっているのです。
伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝
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