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目の前の壁を越える(3)

(その5)壁はひとつではない。

 
さて、この「壁を越える時シリーズ」も5回目を迎えました。当初の予定では3回くらいの予定だったのですが、前回「予想外のできごとは、むしろ進んで受け入れるべきだ」と書いたばかりなので、このまま進んでみたいと思います。
 
ここまでで、1回目から読み続け実行していただけた方の中には、すでに何かしらの壁を越えているのではないかと思います。まだ壁を越えてはいなくても、希望を感じる可能性や方向性を見つけたのではないかと思います。そこで今回は、もうひとつ覚えておくと良いかもしれないことを、お話ししてみたいと思います。
 

さらなる成長を目指す人に、知っておいてほしいこと。

 
私達は「この壁を越えれば、うれしい瞬間が待っている」と考えて挑戦を続けます。これは当然ですよね。私自身、独立起業した当時は「この壁さえ越えれば。ここを乗り切れば」と、その先に待っている幸せな時を思い描いて、必死になって努力を続けたものです。
 
ところが。そう、なのです。残念ながら、ようやく壁を越えても、すぐにまた次の「新しい壁」が目の前に表れるんです。結局のところ「壁を越え続け」なければ、いけないんです。
 
もちろん、誤解があるといけませんから補足しておきますが、壁を越えたあとに「うれしい瞬間」が待っている時の方が多いです。やったぜー! という時間が、用意されているものです。ただ、そこで終わりなのではなく、さらに成長を目指す人には、新しい壁が用意されているものだ。と、いうことです。壁を越えた(越えそうな段階)に到着したならば、さあ次の壁は何だ? と勢いを付けておいた方がいいですよ、ということですね。
 

世の中は変化を続ける。つまり、越え続けなければいけない。

 
世の中は変化を続けます。昨日までの情報は、明日には使えなくなるかもしれません。半年も経てば、ライバルの会社が新製品を開発するかもしれません。せっかく壁を越えて身につけた技術が何かしらの変更で、使えなくなるかもしれません。
 
みなさんは、そんな経験をしたことがありませんか?私(佐藤)はありますよ。せっかくがんばったのに、ああ、なんて酷いんだというようなことが(笑)でもそこで、また・・・、と肩を落とすのではなく、世の中は変化を続けるんだ、壁を越え続けなければいけないんだ、と。それが当たり前なのだということを、心のどこかに置いておくだけでも楽になる時があります。挑戦し続けている状況が普通の状態なのだ、ということですね。
 
壁を越える過程で喜びを噛み締める。喜びを噛み締めながら、同時に壁を越える準備をしていく。この部分の本質を理解できるかどうかが「壁を越える」という行為の中で、とても重要な意味をもっているんです。(その6)へつづく
 


伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝


リニューアルの追伸
数年前に自分で書いたこの文章を読み、「もう少し肩の力を抜こうぜ」という気持ちと「そうか。オレはこんなことを考えていたんだ」と、しみじみする気持ちが半分半分でした(笑)さて、みなさんはどのように感じましたか?


(その6)迷った時に、どうするか?

 
努力の方向を間違えてしまい、それまでの作業が無駄になった。結局、最初からやり直さなければいけなくなった。あなたにも、そのような経験があると思います。必死に壁を乗り越えようとしたのに越えるどころか、最初に逆戻り。何も残っていない。ムダな努力はないというけれど・・・も。
 
そんな経験があると思うのです。でも。そうです。これは精神論でも、激励の言葉でもなく事実として、壁を越えていくスピードは、加速度的に伸びて行くものです。最初の壁が「いちばん難しく、時間がかかる」のです。逆に言えば「ひとつの壁を、全身全霊で乗り越えた」という体験があるのならば、二回目、三回目は、最初の3分の1、2分の1の速度で、越えることができるものなのです。多少の回り道なんて、すぐに巻き返すことができるんですよ。
 

迷ったら最初にもどる。

 
私はいつも、クライアントのみなさんには、迷ったら最初にもどってください、とお話ししています。そこで留まったり、修正を試みるのではなく、いったんすべてを整理して真っ白にして、もう一度原点から、やり直してください、とアドバイスしています。もちろんこれは文章を書く時でも、広告を考える時でも全部同じ。迷ったら、最初からやり直すのです。企画から見直して、すべて最初から文章を書き直していくんです。
 
なぜ? そうです。もうみなさんはおわかりだと思います。実はそれが「いちばん早い」からですね。全身全霊を注ぎ込んで行った努力(過程)は、必ず心身に染み込んでいます。もう一度最初からやり直しても、前回よりも何倍もの早さで作業を進めることができます。その余った時間で、別の部分を磨くこともできます。
 

最初にもどる =『後退』ではない。

 
覚えておいて欲しいのは「最初にもどる = 後退」ではありません。加速度をつけて、もう一度丁寧に組み直すということです。必要ならば何度でも最初に戻り、地図を見ながら方向を確認し、全体像を把握し直してから、おもむろに再スタートするのです。
 
壁を越えるということは、前に進むだけではなく最初に戻ることもあるのだということ。大切な事は「めんどう」だと手を抜かずに、同じ作業を丁寧にコツコツと時間をかけて、届くまで何度も繰り返すのだ、と自分に言い聞かせること。根性! とか 気合い! ではなくて。面倒だと思う気持ちを、地味に乗り越えていく。自分自身の精神状態を管理していく。これが、私(佐藤)が壁を越える時に大切にしているポイントのひとつです。
   


伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝
 


リニューアルの追伸
迷ったら最初にもどる。これは今でも常に自分に言い聞かせている言葉のひとつ。うまくいかない時は、たいてい最初の一歩がズレているものです。わずかなズレも、距離が伸びれば大きなズレを生じてしまいます。迷ったら最初にもどる。しっかりやろう。

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