キャッチコピーを考える時に、間違いやすい3つのポイント
私たちが、キャッチコピーを書く目的とは?
私たち「経営者・ネットショップのオーナー」が、キャッチコピーを書く時の目的は「自分達の商品・サービスを売る」ことのはずです。
コピーを読んでいる人を、感動させたり文学的な喜びを与えておしまいにするのではなく自社の商品・サービスを伝え理解し認識してもらう。そして問い合わせや購入してもらうことが目的になるはずですね。ところが、一旦コピーを作り始めると、いつの間にか別の方向に、突っ走ってしまうものなのです。まずは、今回紹介する「間違いやすいポイント3例」を、チェックしてみましょう。
間違いポイント例 その1)
有名なキャッチコピーの真似をする。
本屋に行って「素敵なキャッチコピー」などの本を買ってくる。「ふ~ん、なるほど。このフレーズは良いな・・・」とカッコイイ作品をそのまま真似る。
あなたのキャッチコピーを見たお客さん:「このキャッチコピーって、どこかで見た事ない?」むしろ、イメージダウン。お客さんは、たくさんの広告を見ています。真似はすぐにバレます。見抜かれます。あなた自身も「これって◯◯の真似だよな~」と思う事があるはず。大切なことは「なぜ自分は、このコピーを良いと思ったのか?」を考え、その背後にある思考を理解し、自分の表現に生かすことです。単なる真似と、そこから学んで表現を考えていくこととの間には大きな差があります。
間違いポイント例 その2)
自分の世界観(だけ)で、コピーを書こうとする。
自分が書いた、キャッチコピーを見て考えた。「もしかして、才能あるのかも」その自信は大切(本当に大切!)でも、自分がカッコイイと感じたものが「自分だけの世界=自己満足」に、なっていないかを常にチェックしていかなければ、なりません。
道行く人達を眺めていると「あの服のセンスはどうなのだろう?」というような全体の雰囲気にそぐわないファッションの人が目にとまったりします。しかし本人にとっては「このファッションが好き」だと感じているわけです。価値観が異なるわけです。いや私自身が「どうなのだろう?」と感じているだけで、他の人達からみれば「良いセンス」と思われているかもしれません。
言葉も同じです。「あなたがカッコイイと思うもの」を「お客さんも、カッコイイと思ってくれる」とは限らないのです。むしろ「・・・」な場合の方が、多いかもしれない。別れた恋人へ送るメールが、情緒的過ぎて痛々しくなってしまうように、その場の雰囲気にそぐわない言葉を使ってしまっているかもしれない。キャッチコピーを書く目的は「商品を売る」と、いう具体的な行動に行き着くのだと事を忘れてはいけません。
間違いポイント例 その3)
言葉遊び、を繰り返してしまう。
[みせる → 見せる 観せる 魅せる 診せる] さあ、どれにしよう。と、言葉選びに夢中になってしまうものです。もちろん、このような言葉を選ぶ作業は重要ですし、たった一語を探すために数日かかってしまうこともあります。しかし多くの場合は「もっと他に考えるべき部分がある」ものです。
そもそも、本当に「みせる」という言葉が必要なのか。今回は「みせる」ことではなく「ふれる」方がいいのではないか? いや体感させることではなく・・・と、様々な角度から検証した上で「よし、今回のキーワードは『みせる』でいこう」となるのです。ようやく言葉選びの作業に入るわけです。キーワードを選定してから言葉選びに入るのに、多くの方がその段階を軽く通り抜けて表面的な部分だけを調整してしまっているのです。言葉選びはパズルのピースを探すようで、楽しい作業ですからついつい集中してしまいます。そして満足してしまいます。言葉選び=言葉遊び、にならないように気をつけてください。本当にその言葉が必要なのか、を考えることに時間を費やすのです。
大切なことなので、ここでしつこく、もう一度、繰り返しますが、私たち「経営者・ネットショップのオーナー」が、キャッチコピーを書く時の目的は「自分の商品・サービスを売る」ことです。「これはなかなかいい表現だね」と思われても、商品や会社名を覚えてもらえなけれな意味がありません。今回は何を伝えたいのか? 何をしてもらいたいのか? それが伝わらなければ、キャッチコピーとしての役割を発揮していないのです。
今回「このコピーで伝えたい事」そして「コピーを読んだ人に、どのように行動して欲しいのか」を、しっかりと確認しながら考えを進めてみてください。
日常の言葉の中に、たくさんのヒントがある。
以上、3つの例を上げてみましたが、大切なことは 「自分が扱っている商品」を「自分が大切にしているコトバ」で伝えることに集中するということです。そうすれば、自分が毎日見て、実際に扱っている商品だからこそ書ける「地味だけど、なんだか気になる」キャッチコピーの作り方が必ずあります。まずは、そこに気が付いて下さい。あなたらしいキャッチコピーの原石は、日常業務の中で繰り返される「平凡なことば」の中に、たくさんのヒントが眠っているものなのです。
伝わる文章講座 佐藤 隆弘
リニューアルの補足:
日本人は(と、言い切って良いのかどうかわかりませんが)駄洒落が好きなのだと思います。しかし駄洒落は「しかるべき関係性」が成立しているからこそ使用できる言葉遊び。と、いうことです。全く知らない人に、突然駄洒落を言われたとしても、引いてしまいますよね。ところで、今あなたのキャッチコピーは「駄洒落」で発想していませんか? 自分が使いたい言葉だけを使って、相手の中に存在していない言葉を使っていませんか?
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